Title |
著 者 |
出版社 |
感 想 |
ユグノーの呪い
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新井政彦 |
光文社 |
これはおもしろかったです!
まずこの発想にワクワクしました。
第八回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品
です。
記憶療法士がバーチャルで患者の頭の中に入って
治療を行います。ね、おもしろそうでしょ。笑
患者はメディチ家の子孫。子供なのに、記憶の中には
中世の歴史が繰り広げられていました…。
この手のものがお好きな方にはおススメです♪ |
九月が永遠に続けば
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沼田まほかる |
新潮社 |
久しぶりに日本人の本を読みました。
第五回ホラーサスペンス大賞を受賞した作品です。
ある日、息子がゴミを捨てに行ったまま突然姿を消して
しまい、母親はその行方を追う…というものですが、
とても母親の心中がよく書けていることと、不思議な
読後感がありました。 |
キス・キス
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ロアルド・ダール |
早川書房 |
こちらも同じくロアルド・ダールの短編集です。
彼の短編の中で一番好きな「牧師のたのしみ」が
含まれています。開高健さんの訳です。
ダールの児童書はイギリスにいる時に英語で全部
読みました。辞書の必要もなく、毎晩子供に戻ったように
ワクワクしながら貪り読んだ覚えがあります。
1990年に亡くなりましたが、もっともっと彼の本を読んで
みたかったと残念でなりません。 |
あなたに似た人
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ロアルド・ダール |
ハヤカワ文庫 |
私の最も好きな作家のひとりです。
「ジャイアント・ピーチ」など児童のための本をたくさん
出しているので、ご存知の方もたくさんいらっしゃる
でしょうが、実は大人のための本こそ傑作揃いなんです。
これには短編が15編書かれていますが、この中で
一番好きなものは…やはり「味」でしょう。
ワインの生産地の場所と名前、年代を当てる…という
賭けのお話です。 |
天使と悪魔
(上・下)
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ダン・ブラウン |
角川書店 |
ダ・ヴィンチ・コードの著者の第一作目。
やはりラングドンが主人公となっていますが、こちらは
よりスピーディなジェットコースター小説です。
ヴァチカンやローマを舞台に秘密結社<イルミナティ>を
時間と闘いながら追い求めます。
映画の好きな私としてはこちらの方が面白いと感じました。
しかも、映画化のお話もあるとか…。 |
ダ・ヴィンチ・コード
(上・下)
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ダン・ブラウン |
角川書店 |
宗教に縁の薄い日本人にとっては、キリスト教の根深い
問題はわかりにくいような気がしますが、それでも謎を
追いかけていく過程はスリル満点で、あっという間に
読めてしまいます。
フィボナッチ数列や数々のアナグラムに隠れている謎を
主人公たちと共に楽しく推理しながら、無知な私はつい
「えっ、本当なの?」と思ってしまいました。
あの有名な<最後の晩餐>の絵にも大きな秘密が…。
読みながら知識も増える、さすが世界的驚異の
ベストセラーの一品です。 |
夏への扉
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ロバート・A・ハインライン |
ハヤカワ文庫 |
SFと言えばこの人。この本は巨匠ハインラインの
最高傑作とされているものです。
婚約者に裏切られ、仕事にまで見放されたエンジニアの
ダンがコールドスリープ(冷凍睡眠)で1970年から
2000年にタイムスリップします。
確かにSFですが、実はこの主人公は愛猫のピート。
ピートは冬になるといつも夏へとつながる扉を
探しているのです。猫のお好きな方はすぐにピートを
好きになるでしょう。
私はSFは得意分野ではありませんが、このお話は
どなたにでもお勧めできる心温まる物語。
古典の中の名作です。
当時書かれた未来社会の2000年…もう過ぎて
しまったんですね。 |
殺人交叉点
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フレッド・カサック |
創元推理文庫 |
フランス・ミステリ批評家賞受賞作「殺人交叉点」と
「連鎖反応」の二編が掲載されています。
フランスミステリはあまり読んだことはありません
でしたが、さすがにウィットの富んだ文章と
ちょっぴり織り込んだブラックがよく効いています。 |
タイムライン
(上・下)
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マイクル・クライトン |
早川書房 |
映画化された原作。
フランスの遺跡で調査していた大学のチームが
教授を救出するために14世紀へとタイムスリップする
お話。歴史背景やタイムマシンの緻密な描写は
映画では味わえません。
映画も見ました。良く出来ていておもしろかったの
ですが、原作すべてを網羅することは不可能でした。 |
時のかなたの恋人
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ジュード・デヴロー |
新潮文庫 |
珍しく…ラブ・ロマンスものです。
というよりほとんどこのような類は読んだことが
ありませんでした。タイムスリップものを探して
いた時に出会った本です。
400年前の伯爵と現代の女性ダグレスとの時を
越えたロマンス。それでも当時と現代の様々な
違いがわかりますし、歴史のお好きな方は
楽しめると思います。 |
荊の城
(上・下)
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サラ・ウォーターズ |
創元推理文庫 |
CWAのヒストリカル・ダガー賞受賞作。
スリの少女スウが、ある城に住む令嬢モードの
多額の財産を奪い取る計画をある男から
持ちかけられる19世紀半ばのイギリスのお話です。
とても個性的で、雰囲気はとても暗そうなのに
元気溌剌としたスウの性格や言葉のおかげで、
どんどん読めてしまいます。同じシチュエーションで
スウとモードの立場からも書かれており、状況が
良くわかるのもおもしろい。
…結末は読んでのお楽しみ♪ |